月1回の点検は本当に必要? 10年の累計で見えた約200万円の差
世田谷区でビルを所有する山崎様は、エレベーターの保守も、建物の管理会社にまとめて任せていました。そのため先代の頃から30数年、保守会社と直接話したことはありませんでした。管理会社を経由するやりとりに、もどかしさや不満を感じることもありましたが、「変えられるもの」だとは思っていなかったといいます。転機は、i-tec24が示した10年先の収支計画書。2032年の累計で見えた差は、約200万円でした。
【プロフィール】
| お話をうかがった方 | 新光ビル オーナー 山崎聖鏡様 |
|---|---|
| 建物名 | 新光ビル |
| 所在エリア | 東京都世田谷区松原 |
| 築年数 | 築30年超 |
| 建物規模 | 下層に店舗、上層に住戸の賃貸ビル |
| エレベーター | 1基(新築時からメーカー系保守会社と契約) |
父の代から30数年、契約を疑ったこともなかった
2011年に、父の代から築30年超のビルを引き継ぎました。エレベーターの保守は建築当初からメーカー系の保守会社にお願いしており、30年以上のお付き合いになります。
ただ、建物の管理は管理会社に一括で任せていて、エレベーターの保守もその中に入っていました。
ですから私が保守会社と直接やりとりすることはなく、担当者とお会いしたこともありませんでした。
毎月手元に届くのは請求書だけ。点検報告書は管理会社に上がっているのだろうと思い、目を通したこともなかったのです。
金額が高いのか安いのかも、比べてみようと考えたこともありませんでした。建てたときからずっとお願いしている会社です。それが安心であり、当たり前だと思っていましたし、疑ったこともありませんでした。
5年前に約367万円かけたのに、また交換? 今後10年、いくら払うことになるのだろう——
そんな私が引っかかりを覚えるようになったきっかけは、部品交換のお話でした。
2014年、制御盤を交換しました。金額は400万円弱です。
大きな出費でしたが、必要ならばと納得して支払いました。
ところが5年後、今度は「ボタン等の部品が製造停止になるため、早めの交換を」と再び100万円ほどの提案が来ました。
「5年前に高額な交換をしたばかりなのに、なぜまた?」「前回の時点では分からなかったのだろうか?」と釈然としませんでした。
納得できず断ったものの、相談相手もおらず何が正解かも分かりません。
日々の対応にも違和感がありました。かご内の照明が切れて修理をお願いしても、管理会社を通しての連絡の為、返事がなかなか来ませんでした。
対応まで1年近く待たされたこともあり、直接お話できないことにもどかしさがありました。
それでも、契約自体を見直すという考えは浮かびませんでした。ただ、断った提案書を片づけながら、ふと思ったのです。
「この調子で次々と部品交換の提案が続くなら、この先私は一体いくら払い続けることになるのだろうか」——。それまでは、そこまで先の費用について考えたこともありませんでした。
フルメンテナンスかPOGか。30年分の収支計画書をみて、自分で選べるようになった
その答えは、思いがけない場所で見つかりました。地域の経営者同士の交流会で岩本代表にお会いした時に、断ったばかりの部品交換の提案について意見を聞いてみたのです。
そうしたら後日、吉村さんがビルまで来てくださり、何が一番のネックなのか——金額なのか、対応の早さなのか、話が見えないことなのかと、丁寧に聞き取ってくださいました。
まず教わったのは、契約の形には選択肢があるということです。
部品交換を含んだ定額の「フルメンテナンス」と、交換のたびに見積もりを取る「POG」。
名前は知っていましたが、私に分からなかったのは、それが自分の建物で何年後にどう効いてくるのかでした。
点検の回数も、使用実態から積み上げて説明されました。うちは1日の利用頻度が少なく、乗るのも住人の方が中心。制御盤も交換したばかりなら、月1回でなく年4回の現地点検もありです、と(※1)。逆に常時エレベーターを使う建物なら毎月点検を勧めることもあるそうです。
そして後日持ってきてくださったのが、収支計画書でした。
建物をあと何年使うかを前提に、今のままの場合と切り替えた場合とで、何年目に累計いくらになるかが並んでいます。
2032年時点の累計は、今の契約のままなら約1,000万円。フルメンテナンスの場合は約830万円、POGなら約780万円となります。
同じ10年間で、200万円以上もの費用差が生じるのです(※2)。さらにその先は、より一層価格差が開いていきます。
10年の累計を数字で並べてもらって、今の契約を続けた場合の負担が、はじめてはっきりと見えました。 相見積もりは取りませんでした。それだけの判断材料をいただけていたからです。
2023年1月、保守だけを切り離し、POGでの直接契約に切り替えました。
(※1)点検回数の目安は、機種・経年・1日あたりの使用回数などの使用実態から判断しています。
(※2)収支計画書の金額は山崎様の建物について、2022年~2052年を前提に試算したものです。累計額は建物の使い方や部品の状況によって変わります。
契約形態を見直し、10年累計で約1,000万円から約780万円へ
切り替えてから3年あまり(2026年8月時点)。保守料は、月額約5万円だったものが約3分の1になりました。
ただ、同じ内容のまま安くなったという話ではありません。
部品交換を定額に含めないPOGにしたこと、現地点検の回数を見直したことによるものです。
私が確認していたのは月額費用ではなく、部品代を含めた10年間の累計費用と、さらにその先にかかる費用であり、その点に十分納得できたことが今回の決め手でした。
現地点検の頻度が変わっても不安はありません。何かあれば、すぐに来てもらえるからです。
大雨でピットに水が溜まり異音がした際も、連絡するとすぐ来て「これは動かしてはいけません」とその場で判断してくださいました。メールの返事も早く、どの担当の方と話しても安心できました。
他にも電気の基本料金の見直しについて相談させていただいたり、電気工事の業者を教えていただいたりと、エレベーター以外のことも相談できるようになりました。
やはり、近いことが一番だと思います。
保守だけを切り離せると知っていれば、もっと早く動いていました
いま思えば、不満や違和感がなかったわけではないのです。ただ、「変えられるもの」だと思っていませんでした。
建物の管理をまとめてお願いしている中から、エレベーターの保守だけを切り離して直接契約にできる。それを知らなかったのです。知っていれば、もっと早く動けたのにと思います。
手続きも身構えていたほどのことはなく、管理会社には「何月から解除します」と伝えるだけで済みました。
30年以上続いた契約の見直しでも、思っていたよりあっけないものでした。
私が決められたのは、収支計画書で将来の数字を見せてもらえたからです。
いま、保守の契約や対応に少しでも引っかかりがある方は、まずはi-tec24の方に意見を聞いてみてください。変えるかどうかは、そのあとで決められます。
【担当者からのコメント】
保守の見直しのご相談をいただくとき、最初にするのは金額のご提案ではなく、何が不満なのかを一緒に整理することです。
金額か、対応の早さか、説明の不透明さか。原因が違えば打つ手も変わります。
収支計画書は、内容を理解し納得して選んでいただくための補助資料です。
ご一緒に考えた結果、メーカーさんのほうが合っていれば、はっきりそうお伝えします。
点検回数も使い方で適正は変わりますが、長く続いた契約が「とりあえず毎月」「とりあえず部品込み」のまま引き継がれていることは珍しくありません。
少しでも引っかかりがあるなら、いまの契約書を開いてみてください。点検が年に何回で、どの部品が定額に含まれているのか。その二つが分かるだけでも判断材料になります。読み解きにくいときは、専門会社に見てもらうことをおすすめします。
(i-tec24 専務取締役 吉村捷平)