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定期点検の頻度について

立春を迎えましたが毎日寒い日が続きますね。

寒暖差が激しい時期ですので、体調管理には十分気をつけてお過ごしください。

さて今回は、エレベーターの定期点検の頻度についてのお話です。

① 点検回数ってきまりがあるの?

よくいただく質問で、エレベーターの定期点検、これはどれくらいの頻度で行えば良いのか?というものがあります。

こちらについて回答すると、まず法律上の観点からは、建築基準法第12条3項において昇降機の定期検査を行うように記載されており、建築物の所有者・管理者には、年に1回、定期的な検査の実施と検査結果の報告が義務づけられています(※ホームエレベーターや荷物用の大きいエレベーターは除く)。

また、建築基準法第8条において定期的な保守点検が求められているのですが、定期的に、と記載があるのみで具体的な回数の明示や罰則規定などはありません。

これは国土交通省から「昇降機の適切な維持管理に関する指針」が呈示されているため、そちらに則った形で定期点検をすれば良いことになっています。

つまり、年に1回の定期検査と、年に数回の定期保守点検を実施することが建物の所有者・管理者には求められている、ということになります。

② 適切な点検回数って?

そうすると現実的に「定期検査は明確な基準があるので良いとして、保守点検は年に何回行なうのが適切なのか?」という話になってくるかと思います。

特に最近は、エレベーターの遠隔点検(監視)というサービスが出てきたことで、保守点検のラインナップが増えました。そのような傾向の中で、先ほどの質問をいただいた際には、まずは「適切な点検の回数は建物によって変わります」という回答となります。

それは単純に、建物の階床数、建物の用途(テナントビル・商業施設・分譲マンション・賃貸マンション・福祉施設etc…)によってエレベーターの置かれる環境が変わるからです。

世帯数10~30の3階建て低層マンションや5階建てで3~4テナントの1棟貸しビルなどは1日に100回もエレベーターが起動すればそれなりの起動回数と言えると思います。これらの建物などは3ヶ月に1回の現地訪問、あとは遠隔点検・遠隔監視をしておけば何か異常があった時に診断・訪問をすれば十分なサービス内容と言えるケースがほとんどです。

一方で、24時間稼働の工場、駅や商業施設のエレベーターなどでは1日の起動回数が余裕で1000回を超える環境などがざらにあります。もちろん特殊な環境にはそれなりの仕様のエレベーターが設置されるケースがありますが、通常仕様のエレベーターが設置されている場合は、毎月の点検整備、さらには部品交換が必要になるケースも想定されます。

③ 点検回数の移り変わり

実は、20~30年前の保守点検契約ではサービスマンが2人体制で月に2回、年で24回も現地訪問する契約が多くありました。もちろん契約料金もそれなりに高額でしたし、現地の整備状況(手のかかる機種が多数)もすみずみまで行き届いていたのではないか(?)と思います。

しかし時が移り変わるにつれ新しい機種が開発され、設置後の保守管理の観点では省作業化・メンテナンス効率の向上が図られてきました。

外部環境としては独立系メンテナンス会社の登場による低(適正)価格競争、人材確保・育成の厳しさも相まって、月1回~隔月の現地訪問の契約が主流になっていくと、IT通信を利用した遠隔監視・点検サービスのツールが開発されたことで3ヶ月に1回の現地点検の提案がプランとして定着したのです。

④ 点検回数ってどうやって決めるの?

このような経緯があり、現在のエレベーターの保守契約の提案が生まれているのですが、その契約の何が良いのか、裏を返せば何が良くないのか、というのは先ほども触れた建物の置かれる環境のほかに、いくつもの要素により構成されます。

例えば、現地での作業が必要十分行われるのにどれだけの時間が必要なのか、遠隔点検(監視)はどの程度まで有効なのか、保守体制・管理状況に保守回数の違いがどのように現れるのか、などの要素があるため、それらを踏まえたうえで契約の良し悪しを判断するのは一般の方にはとても難しいことだと思います。

エレベーター保守会社としても、適切なサービス内容と価格を提示するのはなかなか難しいものがあり、メーカー保守会社の提案や市況に合わせた提案に寄って行かざるを得ないところがあるのが正直なところです、、、。

⑤ 重視するポイントの一つとして

とは言え何かしらヒントになることをお伝えできればと思います。

保守点検の頻度においてひとつ重要なポイントとしては、「保守管理に際して現地作業が十分な時間取れるかどうか」かと思います。

3ヶ月に1回の現地点検というのはメリットとして、(コストダウンが図れることが第一ですが)頻繁なエレベーター停止が無いこと、があげられますが、これは利用者や管理者の負担を減らすことにつながります。

デメリットとしては必要な作業が3ヶ月に1回しかできないことです。これにより1回あたりの停止時間の延長の発生や必要な整備以外の清掃などが行き届かなくなる恐れがあります。実際、毎月現地点検と3ヶ月に1回の現地点検とでは現地の衛生美観環境にはどうしても差が出てしまいます。

遠隔点検で行うのはあくまでも「動作するときの異常の有無の確認」なので、整備清掃は現地点検での役割です。3ヶ月の間に生じた現地での変化についてはなかなか追っていくことができず、特に美観などについては作業者の注意の優先順位が下がるため前回点検時との違和感に気づくことが難しくなったりします。

また部品交換などが発生する際は定期点検に併せることが難しいので、別途エレベーターの停止が必要になることは、ご利用者様含めご理解とご協力をいただくことになる点かと思います。

今回はエレベーターの点検頻度について個人的な意見も含めまとめさせていただきました。あくまでそれぞれの建物や所有者様、管理者様の状況により(もっと言えばメーカーや機種によっても)適切な管理状況は異なるのでご留意いただければと思いますが、何かしらの参考になれば幸いです。


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